外国人労災事例紹介
現在、外国人労働者の労災被害が増加しています。厚生労働省の統計では、毎年最多を記録しています。しかし、メディアで取り上げられるのはその一部のみで、多くの移民労働者が労災事故・怪我にあい、使い捨てされている実態はほとんど社会的な問題とされていません。そこで、POSSEに寄せられた労災相談事例を紹介することで、外国人労働者の労災問題の実態を発信していきます。

【ベトナム人技能実習生、左手の指4本を切断】
関西・製造業
被害の内容:板金工場で鉄の板を曲げる機械を掃除していた際に、足元にある起動スイッチをふみ、機械が作動し左手の指4本を切断。腰の軟骨を指の関節に移植する手術をしたが、痛みが残っている。相談当時、指は思うように曲がらず 、投薬やリハビリ中であった。痛みは激しいものの、仕事を休めば帰国させられるかもしれないという不安から、手術後も勤務を続けていた。
主な相談内容:指の切断によって以前と同じ仕事ができなくなってしまった。そのため、会社が技能実習の在留資格を更新しない可能性や、可能性がある。130万円の借金が残っているため、このまま帰国することもできず途方に暮れている。賠償金はもらえるのか、技能実習生として転職は可能なのか(別の会社で働き続けることは可能か)、教えて欲しい。

被害の内容:関東の建設現場で頭上から木材が落下し左腕を骨折。現在左腕には鉄の板が生み込められて骨が固定されている。日本語での講習はなく、労災保険に関する説明などもなかった。
事故の経緯:都内の建設現場で解体作業中にクレーン車でバタ(棒状の木材)が崩れて、下敷きになった。その衝撃で左腕を骨折し、数日間入院した。事故当時、バタ5本程をクレーンで釣り上げており、3階で働いていた。結束していた紐(玉掛け)がゆるかった可能性があり、バタがはずれてその一つが腕にあたって骨折した。
安全講習の有無:来日直後の研修の際にベトナム語で安全教育を受けたのみ。現場での指示は現場の上司から口頭の日本語でされていた。
【千葉、建設業、ベトナム人技能実習生、右腕の骨折】


【関東、製造業、パキスタン人労働者、右足の火傷】
被害の内容:被害の内容:2022年2月のある朝、始業前にパキスタン人労働者のXさんが裸足になって融解亜鉛(440〜470℃)の釜に足を翳して温めていたところ、突然自動クレーンが動き出した。クレーンがXさんの背中に当たり、Xさんは融解亜鉛の窯に右足から転落した。

【ベトナム人技能実習生、親指切断】
